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人類と資源環境のダイナミクスⅠ 旧石器時代

人類と資源環境のダイナミクスⅠ 旧石器時代

書名 : 人類と資源環境のダイナミクスⅠ 旧石器時代
編著者 : 小野 昭
価格 : 3,300 円
初版年月日 : 2019/2/12
ISBNコード : 9784639026297
シリーズ名 : 明治大学黒耀石研究センター叢書
在庫状況 : 在庫あり
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体裁

21.5cm/A5判並製・カバー/256頁

内容紹介

後期旧石器時代の狩猟採集民が,最終氷期と更新世末の変わりゆく身の回りの環境変動に適応して,資源の開発と獲得をどのように実現していったか。そのダイナミクスを広原湿原の考古・古環境調査を題材に紹介する。基本的な用語を解説したグロッサリーからさらに興味関心を広げるための日・英語文献も収録。考古学専攻の学生や院生にもおすすめ。明治大学黒耀石センター叢書シリーズⅠ巻目。

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本文中に誤りと遺漏がございました。下記のとおり訂正、追記しお詫び申しあげます。


【14 頁下から3 行目】  
誤:新石器時代に多用されたは堆積岩で
正:新石器時代に多用されたフリントは堆積岩で
【49 頁左段5 行目】
誤:試料に対して蛍光X 線分析装置を用いた
正:試料に対して波長分散型蛍光X 線分析装置を用いた
【167 頁4 行目】
誤:関東東部地域の(千葉県文化財センター, 2004)
正:関東東部地域の十余三稲荷峰遺跡(千葉県文化財センター, 2004)
【索引(229-236 頁)の凡例】 
   イタリック体………コラム
アンダーライン……挿図
ゴシック体…………用語解説の項目
※上記以外は本文。

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著者紹介

執筆分担(50 音順)
小野 昭 Ⅰ章・Ⅷ章
島田和高 Ⅱ章・Ⅳ章・Ⅴ章・Ⅵ章・Ⅶ章・Ⅷ章・コラム5
隅田祥光 コラム2
中村由克 コラム1
橋詰 潤 Ⅳ章・Ⅴ章・Ⅶ章・コラム4・コラム6
吉田明弘 Ⅲ章・コラム3

目次

序 文
はじめに

Ⅰ 自然環境と人類活動
1.自然の階層構造
自然史のなかの人類史/自然の階層構造と人類進化
2.最終氷期から完新世への気候変動
気候変動と人類 /第四紀のなかの最終氷期
3.狩猟採集社会の資源開発
岩石素材/有機質の素材/景観の変化と生業の対
column1 後期更新世の日本列島の動物資源

Ⅱ 後期旧石器時代の移り変わりと黒曜石資源の開発
1.明治大学黒耀石研究センターと広原湿原
2.石器時代の黒曜石
3.後期旧石器時代の編年
後期旧石器時代の中部・関東地方/後期旧石器時代の中部高地
4.氷河期の黒曜石利用はどう変化したか
原産地分析データ/黒曜石利用の動態
5.問題の所在と研究デザイン
column2 黒曜石の原産地分析

Ⅲ 中部高地の黒曜石原産地周辺における過去3万年間の景観変遷
1.人類史の構築における景観復元の意義
2.広原湿原のHB-1Aコア試料と堆積年代
3.広原湿原における花粉分析と微粒炭分析
4.過去3万年間における黒曜石原産地周辺の景観復元
約3.0~2.0万年前における高山景観/約2.0~1.1万年前における森林限界の上昇と気候の温暖化/約1.1万年前~700年前の森林化と山火事/約700年前以降における人間活動による植生景観の改変
5.植生景観による視界と移動性の違い
column3 古気候を復元する

Ⅳ 中部高地にヒトは何を残したか―広原遺跡群の発掘―
1.何のために発掘するのか
2.中部高地原産地における広原湿原と広原遺跡群
3.広原第Ⅰ遺跡―ヤリを携えた人々の作業跡―
広原第Ⅰ遺跡の出土遺物 /広原第Ⅰ遺跡の編年と性格
4.広原第Ⅱ遺跡―局部磨製石斧を携えた黒曜石獲得集団―
遺物の出土状況/4層石器群の組成/4層石器群の石核技術と編年/4層石器群の性格/まとめ
5.古環境変遷史と遺跡はどのように対応するか
約3.0万年前以前/約3.0万年前~1.7万年前/約1.7万年前~1.1万年前/約1.1万年前以降
column4 日本列島の後期旧石器時代遺跡

Ⅴ 中部高地でヒトは何をしていたのか―黒曜石原産地分析の活躍―
1.黒曜石原産地研究のパラダイム
2.原産地分析の結果と原石分布のインデックス
第Ⅰ遺跡と第Ⅱ遺跡の原産地分析結果/和田川流域における黒曜石原石の分布
3.広原第Ⅰ遺跡と黒曜石獲得の行動系
黒曜石の原産地分析結果/黒曜石製石器の自然面の検討/黒曜石獲得をめぐる行動系
4.広原第Ⅱ遺跡と黒曜石獲得の行動系
原産地分析結果と4層石器群 /黒曜石の獲得領域 /4層石器群を原産地分析から読み解く /黒曜石獲得集団の行動系

Ⅵ 気候変動のインパクトと人間適応のダイナミクス
1.「有効環境領域」の創出
2.3.0万年前以前
中部高地原産地の利用/黒曜石利用のはじまり/環状ブロック群とは/環状ブロック群の分類/遊動生活と環状ブロック群の形成モデル/現生人類の定着と黒曜石
3.最終氷期最寒冷期(LGM)初頭(e-LUP:約2.9~2.5万年前)
中部高地原産地の利用/武蔵野台地Ⅱa期の黒曜石利用/寒冷化のインパクトと中部高地利用の一時回復
4.最終氷期最寒冷期(LGM)(l-LUP:約2.5~2.0万年前)
中部高地原産地の利用/武蔵野台地Ⅱb期の黒曜石利用/寒冷化のインパクト:Ⅱb期前半/黒曜石獲得の共同利用施設:Ⅱb期後半
5.最終氷期最寒冷期(LGM)終末(f-LUP:2.0~1.9万年前)
中部高地原産地の利用/長野県矢出川第Ⅰ遺跡の特異性/原産地利用が二極化した背景
column5 石器研究法

Ⅶ 晩氷期の温暖化と縄文文化への胎動
1.北方系細石刃石器群と中部高地原産地
2.神子柴系大形尖頭器と中部高地原産地
3.晩氷期前後の環境と人類活動の変化
最終氷期末の環境変動/考古資料と古環境の対応関係/本州東部における石器と古環境との関係/古環境変動と人間行動の関係をさぐる/狩猟具からさぐる動物資源利用/伐採具利用からさぐる植物資源利用/晩氷期前後における資源利用行動の変化
column6 土器の出現をめぐる最近の動向

Ⅷ 中部高地からユーラシアへ
1.黒曜石原産地研究の課題と意義
2.比較の可能性―広原遺跡群とウラーフェルゼン遺跡―

用語解説
引用参考文献
索引

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