7世紀後半、百済から亡命してきた百済王家一族の鬼室氏。
壬申の乱とかかわり、近江国の水田開発、写経事業などを行い、時代の民衆と深くかかわり、時代の根底を支えてきたその業績を分析する。
前編 鬼室氏の軌跡(鬼室福信と劉仁願紀功碑;鬼室集斯墓碑をめぐって;鬼室集斯墓碑再考―近世文人の見た墓碑 ほか)
後編 鬼室氏の縁辺(百済豊璋王について―いわゆる「人質」生活を中心に;皇極紀の自然関係記事について―史料批判の一試考;大化改新前後の日本と百済―百済亡命者の処遇を通して見た ほか)
付編 鬼室氏の余滴(鬼室福信の祭祀―韓国恩山別神堂と恩山別神祭;伴信友と鬼室集斯墓碑拓本;遠藤宗義小伝―鬼室集斯墓碑の顕彰者)