親鸞を祖とする浄土真宗隆盛の陰に、本願寺一族の親と子の葛藤があった。
親鸞の教えをいかに受け継ぐかをめぐり、親子は対立する。
真宗の歴史を繙き、親と子の問題を探る。
1 親鸞と善鸞・如信―鎌倉時代(親鸞―因果応報;長男善鸞―善絶はあったのか?;孫・如信―祖父と父の緩衝地帯)
2 覚如と存覚・従覚―鎌倉時代末期~南北朝時代(覚如―本願寺の創立;長男存覚―門徒との共存;次男従覚―父と兄の間を取り持つ)
3 蓮如と順如・実如―室町時代~戦国時代(蓮如―大教団への発展;長男順如―第一の後継者;五男実如―第二の後継者)
4 顕如と教如・准如―戦国時代末期~江戸時代初期(顕如―織田信長との十年戦争;長男教如―偽装の「義絶」?;三男准如―本願寺教団の再びの発展)