日本の民俗学の弱体化が叫ばれて久しい。
今、民俗はどこへ行こうとしているのか。
現状と課題を各々の立場から自由に提示し、その可能性を真摯に問う。
1 民俗にとっての近代―ひとつの前提として(時代と社会のなかの「聞き書き」;生業伝承における近代―軍部の毛皮収集と狩猟の変容をとおして ほか)
2 伝承母体の変質―現代社会における民俗(民俗芸能の再創造と再想像―民俗芸能に係る行政の多様化を通して;民俗芸能大会の民俗誌―「都市化」した地域社会における民俗事象の様相 ほか)
3 「民俗」と「民族」への問い(日本列島の中央と地方;沖縄研究の課題 ほか)
4 民俗学の課題と展望(「普遍への回路」を求めて;自然誌としての民俗 ほか)