人類の起源、進化、変異、特性などについて、事実を積み重ねてきた人類学「学説」の歴史から哲学的課題まで。
ヒトの歴史を探る学としてつねに自然科学的な回路で新生面を切り開いてきた「知」の体系=「人類学」を総括する。
渡辺直経 [ワタナベナオツネ] 大正8年生まれ、東京大学理学部人類学科卒、理学博士。東京大学名誉教授。平成11年死去。主要著作・論文に「焼土の熱残留磁気方位とその人類学・考古学のための年代学への応用」(英文、東大理学紀要、1959) 香原志勢 [コウハラユキナリ] 昭和3年生まれ。東京大学理学部人類学科卒。現在、帝塚山学院大学人間文化学部教授。立教大学名誉教授。主要著作・論文に、『人類生物学入門』(中央公論新社)。『人体に秘められた動物』(日本放送出版協会)。『顔の本』(講談社・中央公論新社)。『動作?都市空間の行動学』(講談社)。『顔と表情の人間学』(平凡社) 山口敏 [ヤマグチビン] 昭和6年生まれ。東京大学理学部人類学科卒。現在、国立科学博物館名誉研究員。主要著作・論文に『日本人の生いたち』(みすず書房)
1 人類学序説(人類学とは何か;人類学の研究内容 ほか)
2 人間理解の系譜と歴史―自然人類学の観点から(人間をどう把握するか;ギリシャの人間観―個人としての人間観の確立 ほか)
3 人類学の歴史(自然の体系と人類―人類学前史;洪水以前の人類―更新生人類の発見 ほか)
4 日本の人類学の現況(化石人類の研究;日本列島人の時代的変化に関する研究 ほか)
5 付論・人類学、その対立の構図(人類という語の独占;ヒト、人間・人類 ほか)