ヤマセや火山灰地帯という風土のもとで、歴史的に形成されてきた南部(旧盛岡・八戸藩領)の地域像を、新たな視点から探る。
第1章 地域支配と民衆(糠部南部氏と波木井南部氏;検地と年貢徴収―盛岡藩を事例として;近世の北奥と藩領域―八戸藩・盛岡藩境絵図と藩境塚;盛岡藩の藩牧と民衆負担)
第2章 生産・流通と地域(下北半島のアワビ貝塚;八戸藩の漁業政策と漁乞;八戸藩江戸勤番武士の購買行動と国元;近代八戸における洋雑貨商の鉄道利用)
第3章 民衆思想と民間信仰(安藤昌益 八戸に現れる;寛保三年糠部巡礼札所の行基伝説;南部巫俗の風土と地域性―巫女と神子の生態と社会的機能)