江戸・京都・大坂・仙台・名古屋・金沢など、近世の一般的な消費地遺跡から大量に検出される出土資料「漆器」、当時の生活什器であった飲食器を中心に漆器そのものが持つ情報、とりわけ材質・技法などの生産技術の組成過程と、これらを生産していた漆器産業との関連性を考察し、さらに産業構造や体制などの在り方に一考を試みる。
北野信彦 [キタノノブヒコ] 1959年名古屋市に生まれる。1982年愛知大学文学部史学科卒業。(財)元興寺文化財研究所保存科学センター主任研究員を経て、現在くらしき作陽大学食文化学部助教授。博士(学術・史学)
第1章 緒論(本書の目的と方法;本書の構成)
第2章 近世漆器の生産技術(ろくろ挽き技術(用材利用)
上塗り漆の製法 ほか)
第3章 近世漆器産業の体制と沿革
第4章 各漆器産生地の技術と沿革(木曽漆器;輪島塗 ほか)
第5章 近世漆器の流通に関する調査(アムール川下流域における和製漆器の調査)