「芸」の変遷を通して当時の舞台の演出、演技・芸風を大胆に考察し、近世歌舞伎の史的展開と転換期の様相を探る。
近藤瑞男 [コンドウタマオ] 1945年東京生まれ。1973年立教大学大学院日本文学専攻博士課程修了。共立女子大学文芸学部教授
第1部 元禄時代における歌舞伎の変質(「廓場」考;小野川宇源次の転機;上方歌舞伎における元禄から享保へ―『傾城妻恋桜』考 ほか)
第2部 作劇法の諸問題(人買い惣太の誕生―『双生隅田川』成立の一面;二代目市川団十郎考―『矢の根』上演を中心に;元禄歌舞伎の世話狂言―中村千弥の場合 ほか)
第3部 近松作品の研究(『鑓の権三重帷子』の再検討―笹野権三考;近松『女殺油地獄』の享受―明治期から鐘下辰男まで)