「トンバ文字」で知られる中国・雲南省の少数民族・ナシ族。
現地に根ざした長期のフィールドワークを通して、宗教経典と口頭伝承の関わりを分析し、ナシ族の言語世界を解明する。
現地に根ざした貴重な研究業績。
黒澤直道 [クロサワナオミチ] 1970年宮城県生まれ。東京外国語大学外国語学部中国語学科卒業。同大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、國學院大学文学部外国語文化学科助教授。大学院在学中、雲南民族博物館客員研究員などの身分で、雲南省麗江を中心とするナシ族居住地に3年間滞在。現地での自炊生活を通してナシ語を学ぶ
序章 本研究の目的と方法
第1章 ナシ(納西)族の文化・言語・宗教
第2章 ナシ族宗教経典の研究史とその問題
第3章 ナシ族宗教経典の音声言語
第4章 経典朗誦体に見られる諸特徴
第5章 ナシ族の民謡との関係
第6章 結論―ナシ族宗教経典音声言語の性質
資料編(ナシ語の表記法;ナシ語文法の概要;表記法の変換に関する対応表;口語によるナシ語テクスト資料 ほか)