「信濃的世界」の形成から「信濃国」の成立へ。
分水嶺で南北に、フォッサマグナで東西に分断された地域が、どのようにして一つのまとまった領域を形成し、やがて信濃国の成立にいたったのか。
古代寺院・官衙遺跡、条里遺構、出土瓦・木簡などの考古学・歴史学的分析だけでなく、古代祭祀や民具、歴史地理学の視点から信濃的世界成立の背景に迫る。
川崎保 [カワサキタモツ] 長野県埋蔵文化財センター調査研究員
「信濃国」の成立―律令的領域をみる視点
古代における善光寺平の開発―旧長野市街地の条里遺構を中心に
屋代遺跡群の官衙風建物群
古代の小県郡における信濃国府跡推定地
千曲川流域における古代寺院
平城京内出土軒瓦と信濃国分寺出土軒瓦
古代科野の神まつり
木製祭祀具の考察―馬形木製品・蛇形木製品