著者牧野義雄(ヨシオ・マキノ)は、20世紀初頭、英国では著名な画家・随筆家だった。
本書は、半世紀をロンドンに生きたこの日本人画家が、夏目漱石と同時代に渡英し、画家として名をなすまでの半生と、英国人たちとの交流、当時のロンドン事情を記した自伝である。
主要作品もカラーで収録。
牧野義雄 [マキノヨシオ] 画家、随筆家。1869年愛知県挙母村(現・豊田市)生。名古屋英和学校卒業。4年半の滞米生活ののち、97年渡英。以後45年間ロンドンに暮らし、描画・文筆活動にあたる。1942年帰国。56年鎌倉で死去 恒松郁生 [ツネマツイクオ] 崇城大学教授、ロンドン漱石記念館館長、翻訳家。1951年鹿児島県生。桜美林大学文学部英語英米文学科卒業。74年渡英。84年ロンドン漱石記念館設立。2004年より日本で教鞭をとる。専門は日英文化交流史。牧野義雄、夏目漱石の編著訳書多数
1 芸術家を志して(英国へ到着;下宿のすてきな子供たち;絵描きとしての第一歩;貧困をくぐりぬけて;ノーウッドの墓石造り;野口米次郎との再会)
2 私を支えてくれた人たち(自殺の決意;開き始めた扉;「神々の寵児」;チェルシーの保守主義者;日本人の英国観;日本からきた友人たち)
3 ロンドンを描く喜び(『カラー・オブ・ロンドン』刊行;突然の入院と手術;退院までの日々;画家として認められる;広大な海ロンドンで暮らして)