動物文明(畑作牧畜文明)と植物文明(稲作漁撈文明)の対立の中で文明史を再考察する。
今こそ稲作漁撈文明の価値を再発見することが地球環境の保全につながると説く。
詳細な花粉分析から古環境を復元し、畑作牧畜文明と稲作漁撈文明の歴史にせまる。地球規模の環境悪化の中必要となるのは、森と水の循環系を守った持続型の稲作漁撈文明である。環境考古学の第一人者が新たな文明史観を打ち出す。
安田喜憲 [ヤスダヨシノリ] 1946年三重県生れ。東北大学大学院理学研究科修了。理学博士。広島大学総合科学部助手、京都大学大学院理学研究科教授(併任)、フンボルト大学客員教授、国際日本文化研究センター副所長などを歴任。現在、国際日本文化研究センター教授、スウェーデン王立科学アカデミー会員。環境考古学の確立で紫綬褒章受章
第1部 稲作漁撈文明の起源と展開(森と米の文明を求めて;稲作農耕の起源 ほか)
第2部 畑作牧畜文明の起源と発展(黄河文明は畑作牧畜文明だった;麦作農耕の起源 ほか)
第3部 日本はなぜ農耕革命を欠如したのか(農耕牧畜がなくても先進地域だった日本;なぜ稲作は広まらなかったのか ほか)
第4部 稲作漁撈文明の人類史的意味(稲作漁撈文明が地球と人類を救う)