明治維新以降、近代国家を目指した日本は二つの有名なスローガン「殖産興業」「富国強兵」を掲げ実践し、世界の強国入りをはたした。
群馬の地には、富岡製糸場と新町屑糸紡績所が建設され、「強兵」の一翼として「高崎連隊」が設置されたのである。
「殖産興業」のシンボルとも言うべき「富岡製糸場」に対し、いまや跡形も無くなり、近代史にあって、日本におけるすべての対外戦争に関わり続けた「高崎連隊」にスポットをあて、明治から大正期までその歴史的役割を俯瞰する意欲作。
前澤哲也 [マエザワテツヤ] 1959年(昭和34年)、群馬県太田市に生まれる。県立太田高校をへて1983年(同58年)中央大学文学部史学科卒業。専攻は日本近代史。著書『日露戦争と群馬県民』(2004年・煥乎堂、群馬県文学賞(評論部門)他受賞)
第1章 草創期の高崎連隊(徴兵令と軍隊の誕生;西南戦争 ほか)
第2章 日清戦争前後の高崎連隊(開戦前夜;高崎連隊出動 ほか)
第3章 日露戦争と高崎連隊(日露戦争に関する新事実;後備役・補充兵役まで召集 ほか)
第4章 日露戦争後の高崎連隊(足尾暴動;新設第十四師団に編入)
第5章 大正時代の高崎連隊(第一次世界大戦;シベリア出兵宣言 ほか)