「関東の将軍」古河公方足利義氏は16世紀半ば葛西城に在城、その葛西城から小田原北条氏ゆかりの小田原系かわらけや中国元代青花器台・蓮弁文茶臼等の威信財が出土している。
進展著しい文献史学と考古学の最新研究成果を検証しつつ、北条氏と古河公方の関係を中心に関東の戦国期を描き出す。
序章 葛西城を取り巻く世界(葛西城発掘三五年という節目と博物館・資料館;葛西城をめぐる攻防)
1 文献史料から葛西城を読み解く(古河公方足利義氏と東国―特に「葛西様」段階を中心に;葛西公方府の政治構想 ほか)
2 考古資料から葛西城を読み解く(葛西城と扇谷上杉氏のかわらけ;小田原のかわらけと漆器 ほか)
3 全体討議
終章 葛西城をめぐる戦国群像(シンポジウム参加記1 古河公方と葛西公方府をめぐって;シンポジウム参加記2 田中信氏の「山内上杉氏のかわらけ」についての若干のコメント ほか)