古代中国から始まる書に対する意識や美学、思想などが歴史・文化の中でどのように形成、発展されてきたかを多角的な視点から考える意欲作。
松宮貴之 [マツミヤタカユキ] 1971年、滋賀県生まれ。東京学芸大学芸術課程書道専攻卒業。二松学舎大学文学部博士前期課程中国学専攻修了のち中国北方交通大学に語学留学。その後、立正大学文学部博士後期課程国文学専攻、満期退学。現在は佛教大学文学部兼任講師(書論・書道実技・美術史担当)、国際日本文化研究センター共同研究員、書論研究会会員。専門は書論、日中文化交流史
書論前史の墨について―墨刑論という視座から
筆の形而上学―「聿」形を要素とする文字の再考とその語力
書論の起源―古代書論のアイデンティティー
書体論の確立とその秘境
王義之管見―儒者「逸民」としての誇り
自論書系統の書論について
書の帝王学
近世書論の条件
近世書論に於ける王義之観の再編
貶南尚北の美学
「菩薩処胎教」の書道思想
「近代」と清浦奎吾の王朝書学―清浦の勤王書学と昭和王政復古の基礎研究