後期旧石器時代末、細石刃と呼ばれるカミソリの刃ほどの小さな石器が日本列島に広く展開した。
最終氷期の過酷な自然環境と向き合いながら、細石刃を装備した狩猟民たちは、どのような生業をなし、社会集団を形成していたのか。
石器群の機能、環境変動と生業動態、石材資源の獲得と消費、セトルメントシステムなどの分析を通じ、細石刃狩猟民の適応戦略を読み解く試みが本書である。
堤隆 [ツツミタカシ] 1962年、長野県佐久市生まれ。國學院大學大学院博士課程後期修了。博士(歴史学)。現在、浅間縄文ミュージアム主任学芸員、八ケ岳旧石器研究グループ代表、明治大学黒耀石研究センター研究員。第13回藤森栄一賞(1992年)、第16回岩宿文化賞(2007年)受賞
序章 細石刃石器群研究の射程
第1章 細石刃石器群の展開
第2章 細石刃石器群の形態と機能
第3章 環境変動と生業動態
第4章 石材資源の獲得と消費の構造
第5章 場の機能とセトルメントシステム
結語 最終氷期における細石刃狩猟民とその適応戦略