印旛沼・手賀沼を含む下総台地北部の北総地域―「水辺と台地」に形成・展開された地域社会の具体相と、その生活空間の変容を政治・経済・社会的諸関係から考察する。
1 古代・中世の北総地域と水辺(印旛沼をめぐる古墳群の特質と地域社会の動態―印波国造論に関連して;印波国造と東国社会;下総龍腹寺の板碑群)
2 北総台地と近世の開発(享保期佐倉牧における新田「開発」の特質;在地村役人の視点から見る天保期の印旛沼堀割普請;近世下総における検地と土地認識―佐倉藩領の在地把握と弘化期隠田出入一件を中心に)
3 近・現代の地域経済と生活空間(近代北総における貨物輸送―下利根川水運の衰退と成田鉄道;水辺の環境と生活の変容―手賀沼のほとりで農に生きた人:増田実日記から;成田空港建設と地域社会変容―巨大開発下における農民主体の形成と展開をめぐって)
4 江戸・東京と北総(江戸の嘉永文化;七代目市川團十郎と成田山額堂寄進―「五側」の扁額奉納とともに;旧佐倉藩士族結社の活動と士族の「家」―同協社を事例として)