三島由紀夫、若き日の恋。
恋人と親友―2人の女性の貴重な証言から、もう一つの三島由紀夫の顔が立ちのぼる。
岩下尚史 [イワシタヒサフミ] 1961年(昭和36年)生まれ。國學院大學文學部卒業後、新橋演舞場(株)に入社。企画室長として新橋花柳界主催「東をどり」の制作に携り、明治生まれの名妓との交流の中で、声曲舞踏の伝承を担い続ける芸者の任務や梨園との関連など花柳界の実態を学ぶ。新橋演舞場退職後、2006年に処女作『芸者論・神々に扮することを忘れた日本人』を上梓し第20回和辻哲郎文化賞を受賞。以後本格的な作家としてエッセイ、書評などを雑誌・新聞へ多数寄稿
端書 うちあけばなし
1章 「運命愛」の發端―歌舞伎座樂屋・昭和二十九年七月
2章 女たちの時刻、午後の匂い―『沈める瀧』の頃
3章 贅澤な彼女―梨園と花街に室咲きの
4章 喰わずぎらいの直し方―『女神』の頃
5章 東京の恋人たち―『幸福号出帆』の頃
6章 書けて書けて、仕方がないんだ―『永すぎた春』、『美徳のよろめき』、そして『金閣寺』の頃
7章 水槽の熱帯魚―『施餓鬼舟』、『橋づくし』、『女方』、『鹿鳴館』の頃
8章 浅くはひとを思ふものかは―『魔法瓶』に反射するもの
9章 おそらく最後の証言者―『鏡子の家』の女主人
後書 もうしわけ