縄文石器が語る文化と社会
「縄文石器」研究の最先端を紹介する。形態学的研究と理化学的研究を統合して体系化し、縄文社会の地域間交流や生業形態にせまる。
〔総論〕縄文石器の概念と時空的範囲(大工原豊)
〔東北地方の縄文石器〕威信財としての縄文石器―抉入尖頭器、押出型石匙・石槍、天神型石匙(大工原豊)
三脚石器(榎本剛治)
縄文時代の有肩打製石斧―東北地方北部を中心に―(吉川耕太郎)
嘴状石器(君島武史)
異形石器研究の一視点(久保田健太郎)
岩偶―東北地方縄文時代前期の岩偶の表裏について―(稲野裕介)
〔関東・中部の縄文石器〕縄文石器における黒曜石の利用形態(宮坂 清)
分銅形打製石斧の出現と拡大(芹澤清八)
後・晩期の局部磨製石鏃―関東型と中部型―(大工原豊)
〔広域流通する縄文石器〕磨製石斧―製作技術の変遷と流通―(長田友也)
黒曜石の縄文石器の産地分析と流通(建石 徹)
石棒の製作と流通(長田友也)
〔縄文石器の機能・用途〕石器使用痕分析と石器組成論について(高橋 哲)
縄文石器の製作(小菅将夫)
〔最近の発掘から〕縄文後期人骨の集積―沖縄県糸満市摩文仁ハンタ原遺跡(松下真実・松下孝幸・大城一成)
大和北西部の横穴墓群―奈良県奈良市赤田横穴墓群(安井宣也)