畿内と東国を結ぶ重要な拠点・シナノ。シナノの考古資料から渡来人や他地域の渡来系の人々が伝えた様々な新来文化を考える。積石塚古墳や合掌形石室、同筒形土製品、暗文土器、皇朝十二銭などを取り上げ、移り変わる「シナノ~信濃」の実態にせまる。
第1章 シナノの古墳文化二相(シナノ(科野)の6世紀代から7世紀代の土器様相;小形〓(ぼう)製鏡類の性格について―篠ノ井遺跡群出土小形〓(ぼう) 製鏡類の検討から;シナノの積石塚古墳と合掌形石室;シナノの古墳時代中期を中心とする北と南)
第2章 シナノにおける新来文化の受容(シナノで須恵器 が用いられはじめた頃;下伊那地域の古墳時代における新来文化の受容;7世紀前半を中心に科野で用いられた円筒形土製品)
第3章 古墳時代から律令時代 への展開(科野(信濃)で7世紀代から8世紀代に用いられた暗文土器;信濃国出土の富本銭と皇朝十二銭;下伊那地域の古墳群形成の推移と伊那郡衙の成立)