押型紋土器の広域編年研究!
縄文土器の形式の一つである押型紋土器が、どのように日本各地に拡
がっていったのかを地域別・編年形式でまとめた、著者の研究の集大成。
◎回転施紋の押型紋土器から新たな描線施紋を獲得した沈線紋土器の出現によって、美術的にも装飾性が高い多様な縄紋土器に発展する。
◎文様の『互換性』をキーワードにして地域間における同時代性を把握し、押型紋土器を軸とした縄紋時代早期の編年を構築。
◎日本列島における地域間交流・交易や地域集団の動向をとおして、縄紋社会の構造と特質を明らかにする。
◎回転施紋の押型紋土器から新たな描線施紋を獲得した沈線紋土器の出現によって、美術的にも装飾性が高い多様な縄紋土器に発展する。
◎文様の『互換性』をキーワードにして地域間における同時代性を把握し、押型紋土器を軸とした縄紋時代早期の編年を構築。
◎日本列島における地域間交流・交易や地域集団の動向をとおして、縄紋社会の構造と特質を明らかにする。
岡本東三 (おかもととうぞう OKAMOTO Tozo)
1947 年生まれ。
明治大学大学院文学研究科修士課程終了。
奈良国立文化財研究所 主任研究官。
文化庁文化財保護部記念物課 文化財調査官。
千葉大学文学部史学科 教 授。
千葉大学名誉教授。
現在、博士(史学)。
〈主要著書〉
『縄文時代』Ⅰ 日本の美術第189 号、至文堂、1982 年
『生活史』Ⅰ 体系日本史叢書15、山川出版社、1994 年(共著)
『房総半島の先端から列島史を考える』千葉学ブックレット、千葉日報社、2011 年
『縄紋文化起源論序説』六一書房、2012 年
序 文
序 章
1 広域編年をめざして
2 押型紋土器について
第1 章 東北の押型紋土器―北の日計式土器―
はじめに
1 戦後、新しい縄紋起源論をめざして
2 日計式押型紋土器の前と後
3 日計式・三戸式・細久保2 式の互換性
4 日計式押型紋土器の編年的位置
5 貝殻・沈線紋土器出現期の問題点
おわりに
第2 章 関東の押型紋土器―異系統としての押型紋土器―
はじめに
1 撚糸紋土器と押型紋土器
2 撚糸紋土器のなかの押型紋土器
3 撚糸紋土器から沈線紋土器へ
4 沈線紋土器の細分と押型紋土器
おわりに
第3 章 中部の押型紋土器―樋沢式土器・細久保式土器―
はじめに
1 帯状施紋の押型紋土器
2 樋沢式土器の再検討
3 樋沢式土器の細別型式
4 細久保式土器の細分
5 細久保2 式押型紋と三戸3 式沈線紋
6 中部沈線紋土器の出現と展開
おわりに
第4 章 西日本の前半期押型紋土器 その1 ―大鼻式土器・大川式土器―
はじめに
1 大鼻式土器の編年的位置
2 大川式土器の編年的位置
3 西部ネガティヴ押型紋と立野式成立の事情
4 大川式・立野式と東部押型紋との対比
おわりに―再び二系統論―
第5 章 西日本の前半期押型紋土器 その2 ―神宮寺式土器・桐山和田式土器―
はじめに
1 神並遺跡11 層と12 層の評価
2 神宮寺式土器の再吟味
3 桐山和田式土器の理解
4 北白川廃寺下層式土器の理解
おわりに
第6 章 西日本の前半期押型紋土器 その3 ―北白川廃寺下層式土器―
はじめに
1 東部押型紋土器文化圏への交差の旅
2 旅立ちの前に―そのガイドライン―
3 細久保2 式からの旅立ち
4 細久保2 式から北白川廃寺下層式へ
おわりに
第7 章 西日本の後半期押型紋土器―黄島式土器・高山寺式土器―
はじめに
1 瀬戸内海の成立と押型紋
2 小蔦島・黒島そして黄島
3 中・四国における押型紋土器の変遷
4 高山寺式土器をめぐって
5 穂谷・相木式と判ノ木山西式の関係
おわりに
第8 章 九州島の押型紋土器―押型紋土器と円筒形貝殻紋土器―
はじめに
1 いわゆる「大分編年」について
2 押型紋土器の出現前夜
3 九州島における押型紋土器の変遷
4 大分編年後半期の再編成
おわりに
第9 章 押型紋土器の終焉―手向山式土器と穂谷・相木式土器―
はじめに
1 手向山式をめぐる九州島の押型紋土器事情
2 手向山式の型式学的分析
3 本州島の穂谷式・相木式
おわりに
終 章 総括と展望
1 押型紋土器の起源
2 東北の押型紋土器
3 関東の押型紋土器
4 中部の押型紋土器
5 西日本の前半期押型紋土器
6 西日本の後半期押型紋土器
7 九州島の押型紋土器
8 押型紋土器の終焉
9 まとめにかえて
[引用・参考文献]
あとがき
[索引]
英文要旨
付 図― 1 押型紋土器の広域編年表 2 押型紋土器の地域性と変遷 3 押型紋土器の広域編年図