現在でも他に類を見ない豊富な図版と深い内容によって高く評価され続けている名著が、より読みやすくなって復刊。
古今東西の民俗楽器から現代の楽器まで、約700枚の写真や図版を駆使し、その発生起源などを歴史的に解説。また楽器に関わるエピソードも数多く収録。
黒沢 隆朝(くろさわ たかとも)(明治28年4月~昭和62年5月)
秋田県鹿角市花輪生まれ。花輪小を経て大正6年秋田師範卒のち東京音楽学校(東京芸大)卒業。早稲田大学文学部講師、川村短期大学教授、東邦音楽大学教授、文部省教科書用図書審議委員(音楽部長)などを歴任。
山田耕筰に師事して桑田つねし、藤原俊、藤村俊、西田徹、水田誌仙、水田詩仙などの別号を用い作詞、作曲の活動のほか、東南アジアの音楽や音楽起源に関する著作は数多く、本著を含め黒沢学説と評価されている。
楽器関係図書
『楽器大図鑑・西洋編』(昭和13年)、『タイの楽器調査』(昭和16年)、『楽器の歴史』(昭和31年)、『東南アジアの音楽』(昭和45年)、『台湾・高砂族の音楽』(昭和52年)、『世界音楽史』(昭和55年)他多数。
序 章 音楽から見た楽器
第1章 楽器の創成
打楽器の神秘/楽器以前の楽器/管の楽器の起源
第2章 体鳴楽器
楽器分類学からみた打楽器/インドの楽器分類/打楽器分類の私案/打ち合わせる打楽器/打つ打楽器/鐘の種類/ゴング属の楽器/打たない打楽器/現代オーケストラの自鳴打楽器
第3章 膜鳴楽器
膜鳴楽器の分類/日本の太鼓/ヨーロッパの太鼓/アジアの太鼓
第4章 気鳴楽器
気鳴楽器の分類/ふえの創造/日本の管楽器/管楽器の世界/管楽器の系図/フルート属の楽器/縦笛属の楽器/リード笛属楽器/釜形吹口金管楽器
第5章 オルガン属
オルガンの種類/オルガンの完成/パイプ・オルガン/純正調オルガン/電子オルガン/日本のリード・オルガン/リード楽器
第6章 弦鳴楽器
弦鳴楽器の分類/弾奏弦楽器の構想/日本の弦楽器/ハープ属/リラ・キタラ系/プサルター属/リュート・ギター属/民族楽器としての撥弦楽器/擦弦楽器の起源/バイオリン属
第7章 ピアノ
ピアノの名称/ピアノの構想/ピアノの種類/ピアノの前身楽器/ピアノの誕生/ピアノの構造の歴史/現代のピアノの諸問題/日本のピアノ
索引