中国社会科学院考古研究所・韓国国立文化財研究所と奈良文化財研究所との共同研究のなかで中・韓・日三国の古代瓦をつぶさに調査した成果をもとに、古代東アジアの平瓦製作技法の流れと古代日本造瓦史の核心を論究する。
1948年生まれ。独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所都城発掘調査副部長、同研究所副所長等を歴任。
主な主要著書は『中世瓦の研究』(雄山閣、2000年)、『古代瓦と横穴式石室の研究』(同成社、2003年)、『近世瓦の研究』(同成社、2008年)。
はじめに―瓦の文様と瓦の製作技法
中国での瓦生産の開始
秦漢時代の中国の瓦生産
魏・十六国・北朝の瓦生産
南朝の瓦生産
高句麗の瓦
百済の瓦生産
新羅の瓦生産
日本における瓦生産の開始―初期の瓦群(588~610年代)
日本における瓦生産の進展―多様化の時代(620年代・630年代)
隋・唐の瓦生産
日本における瓦生産の拡散―7世紀中葉から7世紀後半代
中国揚州の瓦生産
統一新羅の瓦生産と日本瓦への影響
初めての宮殿瓦多量生産に対する造瓦体制―藤原宮造瓦とその前後
日本における恒常的な造瓦組織の成立―平城京の時代
造瓦組織の再編・解体と造国制による瓦搬入―平安京の時代
復古瓦から中世的瓦生産へ―大和の平安時代の瓦
総括―平瓦製作技法からみた古代東アジア造瓦技術の流れ