人物埴輪の各部位を分類し、地域性、共通性を見出す。さらに古墳造りと埴輪づくりの関係を墳丘企画等から論じ、埴輪生産遺跡の全国的な検討を通して、人物埴輪をめぐる生産と流通の実態、埴輪儀礼の具体的な様相を追究する。
日高 慎[ヒダカ シン]
東京都生まれ
同志社大学文学部卒業・筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科退学・筑波大学歴史・人類学系文部科学技官・東京国立博物館文化財部展示課研究員、現在、東京学芸大学教育学部准教授
博士(歴史学)
序 章 埴輪生産組織研究の課題
第1章 人物埴輪の共通表現検討とその有効性―頭巾状被りものをつける人物埴輪をもとにしてー
第2章 人物埴輪表現の地域性―双脚人物像の脚部の検討―
第3章 人物埴輪の共通表現とその背景
第4章 人物埴輪の東西比較―論点の抽出―
第5章 埴輪からみた関東地方の地域性―柴又八幡神社古墳をもとにして―
第6章 下総型埴輪と墳丘企画
第7章 下総型埴輪が樹立された前方後円墳形態
補 論 東国の古墳造りと柴又八幡神社古墳
第8章 埴輪製作工人の成立と土師部の研究―埴輪生産に因んだ地名をめぐって―
第9章 埴輪樹立からみた地域性と階層性
終 章 東国古墳時代埴輪生産組織の考古学的研究