〈國學院大學名誉教授 小林達雄先生推薦〉 文化財に長年携わってきた著者が送る、初心者にむけた土器実測の教科書。多くのイラストを用い、視覚的にわかりやすく解説する。
〈國學院大學名誉教授 小林達雄先生推薦〉 文化財に長年携わってきた著者が送る、初心者にむけた土器実測の教科書。多くのイラストを用い、視覚的にわかりやすく解説する。
はじめて土器実測を試みるあなたへ
STEP1 土器ってなに?/STEP2 なぜ考古学では土器実測をおこなうの?/STEP3 土器の観察の仕方は?/STEP4 土器実測をおこなう前に必要な知識は?/STEP5 土器にはどのような種類があるの?/STEP6 土器実測に必要なものはなに?/STEP7 自分にあった鉛筆は?/STEP8 土器実測に入る準備と心構えは?/STEP9 実測の手順は?どこから描くの?
/STEP10 実測以外の表現技術は?
コラム1 手づくりの土器(鉢型)を作ろう/コラム2 ご飯と貝汁(実験考古学)/コラム3 光/コラム4 土器作りにおける焼成方法/コラム5 「径出し表」コラム6 あなた自身の利き目/コラム7 ものを「はかる」/コラム8 破片・細片の実測方法はどうするの?/コラム9 実測における土器と石器の違いは?
國學院大學名誉教授 小林達雄先生 ご推薦文(本書巻頭に掲載)
土器の素材は粘土だ。その可塑性に富む性質は加除修正が効くので、思惑をこめてイメージ通りに仕上げることができる。それだけに、それぞれの個体の属性には独自の特色とともに、他の個体との共通性が反映される。それらの詳細な検討によって正確な空間的時間的な位置づけを与えることができる。こうして土器は歴史的事実に止揚される。
そのためには、まず土器の観察が必要である。観察は、あくまで個人的作業であるが、その成果を客観的な情報に変換するのが実測図である。この理屈はよく解っても、直ちに実践に移せるわけではない。ちゃんとした手引きが必要とされる。ところが国内外の考古学の世界に適当なテキストが皆無に等しいのである。
本書は、その穴埋めに適う格好な内容を備えていて見事である。すでに『石器の実測をしよう!』を世に問うていて、文字通り両書揃って姉妹のデビューだ。
必ずや学会に資することを確信し、推薦するものである。