人類学者である著者が、ホモ・サピエンスの進化の研究を通して得られた、人類学が内包する自己矛盾、新しい人類学的人間像、人類学と死・宗教・哲学との関わりなどを、苦渋と提言として読みやすくまとめた啓蒙書。
江原 昭善(えはら あきよし)
1927年生まれ。東京大学理学部人類学科卒業。理学博士・医学博士。キール大学・ゲティンゲン大学客員教授、京都大学霊長類研究所教授、日本モンキーセンター理事、椙山女学園大学長を経て、京都大学・椙山女学園大学名誉教授。勲三等瑞宝章受賞。
主要著書に『人間性の起源と進化』(NHKブックス)、『人類の地平線』(小学館)、『服を着たネアンデルタール人』・『人間はなぜ人間か』(以上雄山閣)など多数がある。
第Ⅰ章 自然人類学者の独り言
第Ⅱ章 ホモ・サピエンスの稜線の彼方で
第Ⅲ章 自然人類学者・仏教に触れて
第Ⅳ章 「あの世」は「この世」のなかに在り
第Ⅴ章 人間の深層を探る
第Ⅵ章 「悟り」や「啓示」は宗教領域だけの概念か
第Ⅶ章 哲学と自然人類学との狭間で
第Ⅷ章 自然人類学の「環境」概念を再吟味する
第Ⅸ章 ホモ・サピエンスの苦渋と提言