桜井古墳群・鹿乗川流域遺跡群の歴史的価値をわかりやすく解説し、「三河国」につながる地域性を探る。
研究者・地域住民・教育委員会が心を開いて討論し、地域の「文化財とまちづくり」を考える。
土生田純之(はぶた・よしゆき)
専修大学教授
1951 年 大阪府生まれ。
関西大学大学院修士課程修了。博士(文学)。
〈主要編著書〉
『古墳』吉川弘文館、2011 年。
『古墳時代の政治と社会』吉川弘文館、2006 年。
『黄泉国の成立』学生社、1998 年。
『日本横穴式石室の系譜』学生社、1991 年。(以上著書)
『積石塚大全』雄山閣、2017 年。
『事典 墓の考古学』吉川弘文館、2013 年。
『東日本の無袖横穴式石室』雄山閣、2010 年。(以上編著)
先人のメッセージを守り、伝える
―桜井地区文化財保存会の活動― 黒柳一明
本書の趣旨 土生田純之
第1 章 桜井古墳群・鹿乗川流域遺跡群とは何か
1 桜井古墳群の概要 西島庸介
2 矢作川流域の前期古墳 森 泰通
― 賀茂郡の古墳を中心に―
3 鹿乗川流域遺跡群の概要 岡安雅彦
4 鹿乗川流域遺跡群周辺の遺跡 北島大輔
― 上条遺跡群を中心に―
コラム1
鹿乗川流域遺跡群の外来系土器・線刻土器 川﨑みどり
―外来系土器と人面文を旅する―
第2 章 三河国、ここにはじまる
1 古墳は何をあらわすのか 土生田純之
2 三河における桜井古墳群の特色 早野浩二
3 考古学から穂国造を考える 岩原 剛
4 桜井古墳群にみる古墳時代前期首長墓の諸相 鈴木一有
5 鹿乗川流域遺跡群の特質 寺前直人
6 本神遺跡と環濠集落 石黒立人
7 三河国の由来 福岡猛志
第3 章 桜井古墳群を守り、伝える
1 安城市のまちづくりと文化遺産 神谷澄男
― 本證寺境内を中心として―
2 昼飯大塚古墳の整備とは何か 中井正幸
3 桜井の文化遺産 伊藤基之
4 桜井地区からみた二子古墳 山本清堯
5 姫小川町内会と姫小川古墳 都築克洋
コラム2
仏あらば魂入れよ 齋藤弘之
― 文化遺産を活用した「まちづくり」について考える―
6 桜井古墳群のこれから 佐藤正知
第4 章 ディスカッション
三河国、ここにはじまる
おわりに 市民とともに歩んだ文化財保護の50 年 天野暢保
桜井古墳群をもっと知るために