コレラが日本の「防疫行政」を変え、「地域差別」を変えた――
文政5年に日本に上陸したコレラ。以後のコレラ防疫行政の展開過程を追うとともに、コレラ防疫を契機とした」近代の地域差別の変容を探り、社会的差別のメカニズムを解明する。
小林丈広(こばやし たけひろ Takehiro Kobayashi)
1961年 静岡市生まれ。
1986年 金沢大学大学院修了。
京都市歴史資料館歴史調査員、奈良大学文学部教授を経て、現在、同志社大学文学部教授。
[主要著書]
『明治維新と京都―公家社会の解体―』(臨川書店1998)
『京都町式目集成(叢書 京都の史料 3)』(京都市歴史資料館1999)
『都市下層の社会史』(編著 解放出版社2003)
『京都における歴史学の誕生―日本史研究の創造者たち―』(編著 ミネルヴァ書房2014)
『明治維新と思想・社会』(編著 有志舎 2016)
序 章 「クワーランタイン」をめぐって
第1章 近代的防疫行政の形成
第2章 防疫の組織化―「十九年の頓挫」の再検討―
第3章 コレラ騒動の歴史的意義
第4章 伝染病と地域社会をめぐる諸問題
第5章 記念祭・博覧会と「公衆衛生キャンペーン」
第6章 近代部落問題の成立・序説―都市貧民を追って―
終 章 民衆意識と「公共性」