カンボジア第一の遺跡、アンコールワットはヒンドゥ教ヴィシュヌ神を本尊としたスーリャヴァルマン二世王の霊廟寺院。
この大聖殿の中に残る古代クメール彫刻、 廻廊壁面の神話物語などの浮彫についての主題を解明した。
壁面は人間の死後の様相、この世での戦争場面を示した。聖殿は天界の宮殿を再現し、その天女たちの姿を、壁面に無数に彫り残した。
アンコールワット芸術が、語りかける人類救済の希望は、一体なになのか。大墜面図を順を追って、丁寧に解説する。
伊東 照司(いとう しょうじ)
1944年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科、博士課程修了。東京外国語大学講師。
『原始仏教美術図典』(雄山閣)、『インド仏教美術入門』(同)など、仏教美術に関する著作多数。