縄文人にとって装身具とは?
縄文人にとっての装身具の機能や意味を追求し、縄文社会を論じる新たな研究や方向性を示す。
栗島義明(くりしまよしあき)
1958 年生
明治大学大学院博士前期課程修了
博士(史学)
現在、明治大学 研究知財戦略機構 黒耀石研究センター 特任教授
〈主要著作論文〉
「木組遺構再考」『考古学研究』62 ― 1、2015年、「移動に組み込まれた石材交換」『人類史と時間情報』雄山閣、2012年、「森の資源とその利用」『考古学の挑戦』岩波ジュニア新書、2010年、「ヒスイとコハク」『移動と流通の縄文社会史』雄山閣、2010年、「神子柴文化」『講座日本の考古学2 旧石器時代(下)』青木書店、2010年、「硬玉製大珠の社会的意義」『縄紋時代の社会考古学』同成社、2007年、「列島最古の土器群」『地域と文化の考古学』六一書房、2005年
はじめに(栗島義明 )
序 章 身を飾る縄文人(栗島義明 )
第Ⅰ章 列島各地の副葬品
第1節 定住化に伴う副葬品の顕在化―富山県小竹貝塚―(町田賢一)
第2節 東京湾岸域に風靡した帯佩具― 千葉県草刈貝塚出土の叉状角製品を焦点に―(渡辺 新)
第3節 北海道南西部の縄文時代の装身具(青野友哉)
コラム① 東北北部地域の墓と副葬品―青森・岩手・秋田―(八木勝枝)
第4節 東海地方の貝塚に残された副葬品(川添和暁)
コラム② 縄文時代最古の装飾品─長野県栃原岩陰遺跡─(藤森英二)
第Ⅱ章 装身具素材の採集・加工
第1節 玦状耳飾と前期の装身具(川崎 保)
コラム① 取掛西貝塚について(石坂雅樹)
第2節 ヒスイ原産地での玉類製作(木島 勉)
第3節 余山貝塚と貝輪の生産・流通(栗島義明)
コラム② 晩期土製耳飾りの製作跡―桐生市千網谷戸遺跡―(増田 修)
コラム③ 航海者が残した装身具―八丈島倉輪遺跡―(栗島義明)
第Ⅲ章 各種装身具の流通と着装方法
第1節 後晩期の土製耳飾り(吉岡卓真)
コラム① 東三洞貝塚―貝輪の生産と流通―(河 仁秀)
第2節 後晩期集落内における耳飾祭祀の展開―土製耳飾集中出土地点の形成背景―(三浦 綾)
第3節 後晩期の勾玉の広域性と地域性(森山 高)
コラム② 巨大遺跡に残された副葬品―岡谷市梨久保遺跡―(山田武文)
コラム③ 吉胡貝塚―人骨と装飾品:腰飾り―(栗島義明)
コラム④ ヒスイとコハクの出会い(栗島義明)
第Ⅳ章 副葬品と縄文社会
第1節 古人骨から見た装身具と着装者(谷畑美帆)
コラム① 着飾った縄文女性―山鹿貝塚2号人骨から―(栗島義明)
第2節 大珠の佩用とその社会的意義を探る(栗島義明)
第3節 縄文時代の墓制と装身具・副葬品の関係(山田康弘)
コラム② 彩り鮮やかな合葬墓―北海道恵庭市カリンバ遺跡―(木村英明・上屋眞一)
コラム③ 蔚珍竹邊里顔面付突起と東三洞貝塚出土の仮面形貝製品―北の顔と南の顔 朝鮮半島と九州―(廣瀬雄一)
第4節 身体装飾の発達と後晩期社会の複雑化(阿部芳郎)
あとがき(栗島義明 )