現代の国際社会において、重要性を増しつつある、環太平洋地域の関係性。本誌は、環太平洋地域に焦点をあて、これまで人類学・歴史学であまり言及されてこなかった、この地域の文化・価値観、関係性について、新たな研究成果を提示する。
特集 「超長期的視点から見た人口・環境・社会」R-GIRO シンポジウム報告
論 文
縄文遺跡から人口動態を探る―シンポジウム「超長期的視点から見た人口・環境・社会」の発表に関連して―(矢野健一)
洞窟遺跡の実態(遠部慎)
九州における鬼界アカホヤ噴火前後の縄文遺跡の動態(桒畑光博)
岡山県南部地域における縄文時代の遺跡動態と環境変化(山本悦世)
古環境復原研究の回顧と展望―シンポジウム「過去の環境変化を解明する」の趣旨―(高橋学)
熊本県天草諸島下島・池田池における過去7500年間の珪藻化石群集変動(福本侑・箕田友和・鹿島薫・原口強・山田和芳)
環境変化からみた環太平洋圏におけるヒトの移住史―ウォーレシア・オセアニアの事例から―
(小野林太郎)
古代の甘味「甘葛」の原料に関する考察(神松幸弘・入口敦志)
研究ノート
北日本縄文時代の社会・人口統計の作成とその分析に関する覚書(中村大)
ミルクと社会主義―乳利用からみたモンゴル牧畜社会の変容―(冨田敬大)