多くの世界文化遺産で知られる東南アジアの国々が直面する現実と課題
ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、フィリピン、インドネシアの文化遺産と現地のミュージアムを取り上げ、文化遺産とその価値、保護の取り組み、特色ある活動等のさまざまな論点を検討する。
德澤 啓一(とくさわ・けいいち)
岡山理科大学 教育推進機構学芸員教育センター 教授
岡山理科大学 経営学部経営学科 教授を経て現職
國學院大學大学院文学研究科史学専攻博士課程満期修了退学
専門:博物館学・考古民族学
◉主な著書
『長崎県佐世保市福井洞窟資料図譜:岡山理科大学博物館学芸員課程所蔵コレクション』(共編著)雄山閣、2022・2023
『洞窟と考古学者:遺跡調査の足跡と成果』(共編著)雄山閣、2023
『アジアの博物館と人材教育』(共編著)雄山閣、2022
「ミャンマー南部からタイ中央平原にかけてのモン窯業の展開と変容:タイ・ノンタブリーの土器製作及び焼き締め陶器製作を中心として」『中近世陶磁器の考古学』第15巻、雄山閣、2021
「モン窯業の変遷と地域博物館群の成立」『21世紀の博物館学・考古学』雄山閣、2021
山形 眞理子(やまがた・まりこ)
立教大学 学校・社会教育講座 学芸員課程 特任教授
岡山理科大学 経営学部経営学科 教授を経て現職
東京大学大学院人文科学研究科博士課程(考古学専攻)単位取得退学 博士(文学)
専門:東南アジア考古学・博物館学
◉主な著書
『アジアの博物館と人材教育』(共編著)雄山閣、2022
「遺跡の保護とその活用」『新博物館園論』同成社、2019
"The development of regional centres in Champa, viewed from recent archaeological advances in central Vietnam." Champa: Territories and Networks of a Southeast Asian Kingdom. École française d'Extrême-Orient, 2019
The Ancient Citadel of Tra Kieu in Central Vietnam: The Site and the Pottery. Kanazawa Cultural Resource
Studies 14. 2014(編著)
東南アジアの文化遺産とミュージアム 目次
刊行にあたって (徳澤啓一・山形眞理子)
東南アジアにおける文化遺産及び自然遺産の分布
東南アジアの世界遺産とミュージアム― ユネスコのミュージアム支援事業を中心に―(林 菜央)
フランス極東学院のインドシナ研究と博物館(俵 寛司)
チャンパの世界遺産「ミーソン聖域」とサイト・ミュージアム(山形眞理子)
ホイアンの文化遺産と博物館(菊池百里子)
ラオス北部から中部における埋蔵文化財調査・文化財保護と博物館―ポストCOVID-19の現状と課題―(清水菜穂)
ラオスの文化的景観と博物館―遺産マネージメントと観光―(小田島理絵)
世界遺産アンコールと博物館―保護・開発・文化遺産国際協力―(丸井雅子)
カンボジアにおける染織業とその伝承―戦火による断絶と国際的な支援―(朝日由実子)
博物館をめぐるモノと人の諸関係―タイを事例として―(池田瑞穂)
バンチェン遺跡における国立博物館とコミュニティ博物館―地域住民とのかかわりから―(中村真里絵)
文化と産業を結び付ける観光とミュージアムの役割―タイ・ランパーン県における「窯業とその文化」をテーマとする文化産業観光―(德澤啓一)
チョコレートヒルズ―フィリピン・ボホール島における「暫定」世界自然遺産とその課題―(辻 貴志)
フィリピンの文化財と国立博物館に関する法律(深山絵実梨)
インドネシアにおける文化遺産とオンサイト・ミュージアム(田代亜紀子)
文化遺産の保存と活用を支えるミュージアム―近代から現代にかけてのミッションの変遷―(德澤啓一・山形眞理子 )
おわりに(德澤啓一・山形眞理子)