台湾の誕生を探る!
太平洋への人類の拡散において起点となった可能性も指摘され、東アジア・東南アジア・太平洋島嶼部、そして日本にとっても大きな意味を持つ台湾島の歴史を明らかにするための台湾考古学の歩みを、蓄された研究成果を交えて概観する。
陳 有貝(Chen Yu-pei)
1964年台北生まれ。
1999年九州大学博士課程修了、博士(比較社会文化)。
国立台湾大学文学院人類学系教授(現職)。
専門は考古文化史、台湾考古学、東アジア考古学。
研究業績として『淇武蘭遺址考古學研究論文集』(2020年)、『山林裡的南島語族:台灣原住民族群的形成論』(2022年)他多数。
序
第1章 台湾考古学の道
1 台湾考古学と台湾社会の百年/2 台湾考古学の性格
第2章 台湾考古学研究史
1 地理的・歴史的背景/2 考古学研究史
第3章 台湾考古学の研究法
1 研究法の沿革/2 「考古学文化」より構築された先史文化/3 関連法
第4章 台湾の旧石器時代
1 調査研究簡史/2 旧石器文化史/3 移住と消滅/4 おわりに
第5章 新石器時代のはじまり
1 源流地はどこか/2 はじまりは「漁民」から/3 「農民」の生活へ/4 農耕の意味/5 おわりに
第6章 新石器時代の概要
1 早期:大坌坑文化/2 中期:赤色細縄文土器文化/3 晩期 /4 おわりに
第7章 鉄器時代
1 はじめに/2 各地域の鉄器時代文化/3 おわりに
第8章 台湾考古学と原住民
1 原住民の課題と考古学/2 「族」歴史の研究例 /3 おわりに
第9章 台湾と東アジア大陸の先史時代の関係/1 研究史/2 大陸地域からの視点/3 先史時代、台湾の人と文化はどこから来たか/4 おわりに
第10章 台湾と琉球列島
1 地理的関係/2 先史・古代の琉球・台湾間の関係について(予察)/3 先史・古代の台湾・琉球間の交流についての研究/4 貝製品と玉製品に表れる異なる文化圏/5 おわりに
第11章 オーストロネシア語族の起源地と台湾
1 オーストロネシア語族の起源地/2 新たな提案に向けて/3 要因としての人口圧力説/4 まとめ
終章
1 研究史からの視座/2 台湾考古学とはいかなる学問か