長い時間をかけて様々な国の文化を吸収し、独自の伝統文化へと昇華した日本食。
しかし戦後、食文化が国際化したために、伝統的な日本食と在来の食事光景は揺らいでいる。
歴史を辿ることで日本食を捉え直し、かつ今後の食の在り方に論及する。
橋本直樹[ ハシモトナオキ]
京都大学農学部農芸化学科卒業 農学博士
キリンビール開発化学研究所長、ビール工場長を歴任して常務取締役で退任。
紀文食品顧問、京都大学非常勤講師、東京農業大学非常勤講師を経て、帝京平成大学教授(2010 年退職)。
著書に『食の健康科学』第一出版、『見直せ日本の食糧環境』養賢堂、『日本人の食育』技報堂出版、『食品不安』NHK出版(生活人新書)、『ビール・イノベーション』朝日新聞出版(朝日新書)、『大人の食育百話』筑波書房など、食育・食文化に関する著書多数。
はじめに 揺らぐ日本食の伝統
第一章 日本食の夜明け前
第二章 古代の食事に日本食の源流を探る
第三章 日本料理を育てた中世社会
第四章 大江戸で爛熟した和食の文化
第五章 和食を近代化した百五十年の歩み
第六章 和食の伝統を明日の「食」に活かす
補章 揺らぐ日本の酒文化:日本酒からビールへ
おわりに 日本食の伝統とは何であったのか