城を単に歴史の流れの中に現れた事象としての理解、あるいは近世の城の建築史的な研究からの観察、あるいは戦いの歴史から解明することは、その研究自体は学術的に重要であり、また城郭学の主要な一翼を形成することにはなり得ても、その単独研究では城のすべてを解明することは出来ない。
城の本質的な研究のためには、人類社会に起った劃期的な政治事象によって、旧来の城とは異る新しい目的と機能と型体を持った城が発生し、消滅していったという判然たる認識のもとに、関聯諸学との提携が必要である。
…城の研究は諸学との関聯と世界的視野での観察など多角的な要素を集結することが必要である。
この本ではそのような考え方から城の基礎知識を解説した。
※本書籍には新版がございます。
日本の城の基礎知識 (新装第二版)