コレラが日本の「防疫行政」を変え、「地域差別」を変えた。
文政5年に日本に上陸したコレラ。
以後のコレラ防疫行政の展開過程を追うとともに、コレラ防疫を契機とした近代の地域差別の変容を探り、社会的差別のメカニズムを解明する。
※本書籍には新版がございます。
近代日本と公衆衛生 都市社会史の試み【新装版】
小林丈広 [コバヤシタケヒロ] 1961年静岡市生まれ。’86年金沢大学大学院修了。現在京都市歴史資料館研究員。著書に「明治維新と京都」、共著に「京都 歴史と文化<第2巻>」「京都の部落史〈第2巻〉」「近代天皇制とキリスト教」「清水寺史〈第2巻〉」ほか
序章 「クワーランタイン」をめぐって
第1章 近代的防疫行政の形成
第2章 防疫の組織化―「十九年の頓挫」の再検討
第3章 コレラ騒動の歴史的意義
第4章 伝染病と地域社会をめぐる諸問題
第5章 紀念祭・博覧会と「公衆衛生キャンペーン」
第6章 近代部落問題の成立・序説―都市貧民を追って
終章 民衆意識と「公共性」