著者は、2004年以来、機を得て参画した大名家墓所の改修に伴う調査において、下部構造を具に観察し精査する好機に際会し、爾来、近世大名の葬墓制に大きな関心を抱き関連遺跡の調査研究に邁進したのである。
その結果、近世大名家の墓所造営には「儒葬的要素」が見られることを主張するにいたった。近世儒学の祖と位置づけられている藤原惺窩など儒者の葬墓、武家の藤堂高久、深溝松平家の葬墓などの調査により、朱熹の『家禮』に基づく「喪禮」の実際が重用されていることを突き止めたのである。
(本文序文より 立正大学名誉教授 坂誥秀一)
松原典明 [マツバラノリアキ] 1960年京都府に生まれる。立正大学大学院文学研究科(史学専攻)博士後期課程単位取得。現在、石造文化財研究所
序論 近世大名家墓所研究の視点と目論見
第1章 近世大名家墓所の構造様式
第2章 近世武家社会における葬制
第3章 近世大名家墓所の地下構造と喪禮実践の歴史的脈略
第4章 墓所造営と近世大名家の喪禮実践とその思想
第5章 儒者ネットワークと喪禮実践
第6章 結論
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