伊勢・出雲と並ぶ日本有数の古社である大神神社と、その淵源となった三輪山での祭祀をもって大和王権に仕え古代国家の形成期に大きな足跡を残した大神氏。氏族としての動勢・職掌・系図の分析を通して、その実態を解明する。
鈴木 正信(すずき・まさのぶ)
1977 年 東京都に生まれる
2008 年 早稲田大学文学研究科博士後期課程単位取得退学
2012 年 博士(文学)(早稲田大学)
現在 早稲田大学高等研究所准教授
著書 『日本古代氏族系譜の基礎的研究』(東京堂出版、2012 年)
『国造制の研究―史料編・論考編―』共編著(八木書店、2013 年)
序 章 研究の現状と分析視角
第一章 大神氏の動勢
第一節 大神氏の成立と展開
第二節 大神氏の複姓氏族
第三節 大神氏の分布とその背景
第二章 大神氏の職掌
第一節 大三輪神の神格とその重層性
第二節 三輪山祭祀の構造と展開
第三節 大神氏始祖系譜の歴史的背景
第三章 大神氏の系図
第一節 『粟鹿大明神元記』の写本系統
第二節 神部氏の系譜とその形成
第三節 『大神朝臣本系牒略』の史料的性格
終 章 総括と展望