古代の主要な氏族を追究する初の研究シリーズ第一弾、待望の第二版刊行。物部氏の起源・職掌・性格などを明らかにする作業を通して、日本古代史研究に横たわるウジ・カバネ・部の問題にせまる!
稲荷山古墳出土鉄剣銘文とウジ、継体期と「連」のカバネの成立、部としての物部の分布範囲、物部の祖先伝承にみられる系譜の同祖構造、石上麻呂と物部氏の伝承など、最新の研究成果も盛り込んで考察する。
篠川 賢【しのかわ けん】
成城大学文芸学部教授。著書『国造制の成立と展開』、『日本古代国造制の研究』、『日本古代の王権と王統』、『飛鳥の朝廷と王統譜』、『大王と地方豪族』、『日本古代の歴史2 飛鳥と古代国家』など。
序章 研究史の概要と研究の課題
第一章 物部氏の成立とその性格
はじめに/第一節 稲荷山古墳出土鉄剣銘文とウヂ/第二節 「連」のカバネの成立/第三節 「物部」の呼称の成立/第四節 物部氏の性格
第二章 物部氏の祖先伝承
はじめに/第一節 ニギハヤヒの伝承/第二節 オホヘソキとイカガシコヲの伝承/第三節 石上神宮神宝伝承とトチネ/第四節 物部大連目の伝承/第五節 物部氏の系譜
第三章 物部氏の盛衰
はじめに/第一節 物部氏の台頭/第二節 物部氏の衰退/第三節 物部氏の復興と石上麻呂/第四節 物部氏の後裔