埴輪と副葬品・渡来系資料から東国古墳時代の実体にせまる。
ひとつひとつの考古資料の精査から、東国の古墳に葬られた被葬者の実像、渡来文化流入における海上ルートの存在を描く。
日高 慎(ひだか しん)
1968 年 東京都生まれ。
1991 年 同志社大学文学部卒業
1998 年 筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科退学
1998 年 日本学術振興会特別研究員(PD)
2002 年 筑波大学歴史・人類学系文部科学技官
2004 年 東京国立博物館文化財部展示課研究員
2011 年 東京学芸大学教育学部准教授(現在に至る)
2013 年 博士(歴史学)(専修大学)
《主要著書・論文》
『北岡大塚古墳(引佐町の遺跡Ⅶ)』静岡県引佐郡引佐町教育委員会 1996 年
『風返稲荷山古墳』(分担)霞ヶ浦町教育委員会 2000 年
「妙見山古墳の埴輪―その位置付けと高浜入り周辺の埴輪生産―」『玉里村立史料館報』6 2001 年
「東北北部・北海道地域における古墳時代文化の受容に関する一試考」『海と考古学』4 2001 年
「水界民と港を統括する首長」『専修考古学』9 2002 年
「茨城県」『前方後円墳の終焉』雄山閣 2010 年
「毛野の影響圏としての北武蔵」『古墳時代毛野の実像』(季刊考古学・別冊17)雄山閣 2011 年
『東国古墳時代埴輪生産組織の研究』雄山閣 2013 年
「総論 埴輪研究の課題―生産と流通」『月刊考古学ジャーナル』667 2015 年
「土師氏(部)と埴輪生産」『月刊考古学ジャーナル』667 2015 年
第Ⅰ部 埴輪編
第1章 埴輪の装いとその意義
第2章 形象埴輪群像を読み解く
3章 東北の前方後円墳埴輪配列
第4章 形象埴輪群像における動物―狩猟場面を再現する動物埴輪―
第5章 甲塚古墳の埴輪群像における被葬者像
第6章 被葬者の埴輪
第7章 古墳時代の葬送儀礼
第Ⅱ部 副葬品・渡来系資料編
第1章 後期古墳における刀類立てかけ副葬について
第2章 稲荷山遺跡出土七星剣考
第3章 北海道大川遺跡出土資料の再検討
第4章 松戸市行人台遺跡の鋳造鉄斧と多孔式甑―東京湾沿岸地域と渡来系文物―
第5章 行人台遺跡出土の金海系土器について
第6章 横坐り乗馬考
第7章 埴輪にみる渡来文化
第8章 東国古墳時代における渡来文化の流入と展開