雄山閣創業以来100年間のアーカイブから、知られざる歴史と文化を読み解く新シリーズ――雄山閣アーカイブス、創刊。
第1回配本「忍びと忍術」、以後「遊女の知恵〈上・下〉」ほか続々刊行予定!
伊賀流・甲賀流に代表される忍術。
それらを使いこなす忍者は実在し、歴史上の様々な場面に登場し活躍してきた。
忍者の掟、忍術と科学、忍術心得帖、忍者の実戦記録など、小説や劇画でしか知ることのできなかった忍びと忍術の世界を、史実にもとづいて再現する。
――一五世紀後半の戦国時代に、スッパとよばれる人間が戦場に現われた。これは戦国諸将の諜報作戦に使われた山賊・野盗の類いで、素性のよくないものが多かった。美濃・近江の中部地域の出身者が大多数をしめ、その数は二千人といわれた。渡りスッパといって浮浪人もいたが、抱えスッパは常勤として食禄が与えられた。斥候として、また奇襲部隊として戦線に出没した。しかし、スッパは小田原戦(一四九五年)を境として戦列から姿を消した。その後に現われたのが、忍者である。(本文より)
※本書は1969年刊「生活史叢書 忍者の生活」2003年刊「江戸時代選書 忍びと忍術」を底本とし再編集を加えたものです。
山口 正之(やまぐち まさゆき)
1901年生まれ。
福岡県久留米市(旧制)明善中等学校、(旧制)佐賀高等学校を経て京城帝国大学に入学。
1929年 同学法文学部史学科を卒業
1929年 平壌高等女学校教諭
1931年 京城中学校教諭
1933年 李王職編修官兼務
1945年 日本へ帰国
1947年 滋賀県大津高等女学校教諭
1949年 大津市教育委員会教育長
1956年 滋賀県立甲賀高等学校長
1958年 滋賀県立虎姫高等学校長
1960年 彦根市教育委員会教育長
1964年 退職
1964年10月22日逝去
◆主な著作
『黄嗣永帛書の研究』(1946・全国書房)
『通勤列車』(1957・葵書房)
『忍者の生活』(1963・雄山閣)
『朝鮮西教史』(遺稿/1967・雄山閣)。
その他、朝鮮キリスト教史に関する論文を多数執筆。
第1編 忍術と歴史/第2編 忍術の盛衰/第3編 忍術と科学/第4編 忍術と文学/第5編 忍術と道徳/第6編 忍法/第7編 忍術と呪術/第8編 忍話抄/第9編 忍者心得帖/第10編 忍術の文献