雄山閣創業以来100年間のアーカイブから、知られざる歴史と文化を読み解く新シリーズ――雄山閣アーカイブス
内外タイムス記者による渾身のルポルタージュ!
「国際親善慰安協会」― R.A.A(Recreation and Amusement Association)
これは戦後四千万人の大和撫子の純潔を守る為にあった「国家売春」ともいうべき、大規模な売春組織だった。
占領軍の「欲望」を組織的に解決する慰安施設発足から、1956 年「売春防止法成立」までの戦後風俗史の名著を復刊。
小林大治郎(こばやし だいじろう)
昭和三年生まれ。國學院大學卒業。元内外タイムス社会部記者。
村瀬 明(むらせ あきら)
昭和五年生まれ。國學院大學卒業。もと内外タイムス社会部記者。
序にかえて
Ⅰ 国家売春命令
国家売春の幕あけ
五千万円の女体防衛作戦/〝新日本女性〟への突撃開始/悲鳴あげるR・A・A
セックス防波堤あやうし
昭和のお吉たち/防波堤を越える性の怒濤
R・A・A始末記
性病の蔓延
Ⅱ 赤線の灯、消えるまで
息吹き返えした赤線地帯
廃墟の中の赤線地帯/赤線復興す/鼻息の荒い業者/きびしい世論の反撃
消えゆく紅燈街
赤線廃止の動き/性病予防の旗印/女たちの生活/たかまる非難/赤線の灯消ゆ