韓半島や中国大陸との交流の舞台・対馬海峡。
近年の研究成果をもとに、自然環境や気候変動の影響、祭祀の系譜、玄界灘と神話、社会の様相、国家の成立など、多角的視点から論じ、対馬海峡と宗像の古墳文化を考える。
安田喜憲(やすだ よしのり)
1946 年三重県生まれ
東北大学大学院理学研究科修了 理学博士
広島大学総合科学部助手、京都大学大学院理学研究科教授(併任)、フンボルト大学客員教授、国際日本文化研究センター教授、東北大学大学院教授などを歴任
現在、立命館大学環太平洋文明研究センター長、ふじのくに地球環境史ミュージアム館長、国際日本文化研究センター名誉教授、スウェーデン王立アカデミー会員
環境考古学の確立で紫綬褒章受章
主な著書:『環境考古学事始―日本列島2 万年』(NHK ブックス)、『世界史のなかの縄文文化』(雄山閣)、『環境考古学のすすめ』(丸善ライブラリー)、『日本よ森の環境国家たれ』(中公叢書)、『古代日本のルーツ長江文明の謎』(青春出版社)、『気候変動の文明史』
(NTT 出版)、『環境考古学ハンドブック』編著(朝倉書店)、『一神教の闇』(ちくま新書)、『環境考古学事始―日本列島2 万年の自然環境史』(洋泉社)、『生命文明の世紀へ』(第三文明社)、『稲作漁撈文明―長江文明から弥生文化へ』『日本神話と長江文明』(雄山閣)ほか多数。
西谷 正(にしたに ただし)
1938 年大阪府生まれ
京都大学大学院文学研究科修士課程修了 文学修士・名誉文学博士(韓国)
奈良国立文化財研究所、福岡県教育委員会、九州大学教授などを歴任
現在、海の道むなかた館長、九州歴史資料館名誉館長、糸島市立伊都国歴史博物館名誉館長、九州大学名誉教授
主な著書:『東アジア考古学辞典』編(東京堂出版)、『魏志倭人伝の考古学』(学生社)、『古代北東アジアの中の日本』(梓書院)、『研究最前線 邪馬台国』共編(朝日新聞出版)、『伊都国の研究』編(学生社)、『古代日本と朝鮮半島の交流史』(同成社)、『北東アジアの
中の弥生文化』(梓書院)ほか多数。
第Ⅰ章 海と人の交流史
一 人が海を渡ること、いにしえの旅 八幡 暁
二 古代の韓国と日本の交流史 西谷 正
第Ⅱ章 対馬海峡と古墳文化
一 対馬海峡の成立と日本海の海面変動 鹿島 薫
二 年縞を軸とした環太平洋文明の研究拠点 安田喜憲
三 国家権力と海上交流 マーク・ハドソン
第Ⅲ章 古墳時代の宗像
一 宗像、沖ノ島を基点とする直線配置 平井正則
二 海の道と古墳時代後期の社会 宮元香織
三 玄界灘と宗像神・胸形君 亀井輝一郎
四 日本における祭祀の時空と社殿の成立―宗像神社をめぐって― 山野善郎
第Ⅳ章 古墳時代の北部九州― アジアの国々とどのような交流をしていたのか―
パネリスト 葦津敬之・清水 昭・西谷 正・深野弘行・宮元香織・安田喜憲・矢野健一・八幡 暁
司会 岸本吉生