不可能と言われている「鎌倉時代の刀」の再現に挑み、刀剣界で数々の賞を受賞してきた刀匠・松田次泰の作刀の世界を、その心象風景も含めて、かつきせつこの作画により余すところなく描き出す。
※第2版の刊行にあたり、旧版の表記中の不統一あるいは不正確な表現など、数箇所を訂正しております。
かつき せつこ(香月節子)
武蔵野美術短期大学卒業。
専攻・民俗学 主に生産技術、ライフヒストリー。
主な著書に「むらの鍛冶屋」1986 平凡社(共著)、「鉄と火と技と―土佐打刃物のいま―」2002 未来社、「土佐打刃物―伝統的工芸品山地指定にともなうプロセスと活動報告」2004 高知県土佐刃物連合協同組合(編著)、「たたら―日本古来の製鉄」2004 財団法人JFE21世紀財団(共著)、「鉄と火と水の技―時代の波と鍛冶職人―」2015 慶友社など。
松田 次泰(まつだ つぐやす)
昭和23年北海道北見市に生まれる。
昭和47年北海道教育大学特設美術科卒業ののち、同49年に刀匠髙橋次平師に入門。同55年作刀承認許可を受け、以後日本美術刀剣保存協会会長賞、文化庁長官賞、高松宮記念賞など数々の賞を受賞するほか、ロンドンでの個展開催、スウェーデンでの作品展示など国内外から高い評価を受ける。
平成21年無鑑査認定。平成27年、千葉県無形文化財の保持者に認定される。
木々に囲まれて
鍛冶場―壁のむこうに
もう一歩なかへ
材料とホド(火床)おこし
刀造り工程
地と刃紋
刀身(実寸)
鍛冶場のつくり
鍛冶場の地下構造
鍛冶場の平面図
炉・ホドの地下構造(断面図)
送風の仕組み
スプリングハンマー
鍛接用のわら灰と泥水
ホドの手入れ
仕事を終えた刀匠
仕事が終わって
新しく解釈してこそ、過去は甦る(松田次泰)