「仁」と「天理」はどう語られてきたか――
『春秋』三伝・『論語』等の先秦史料から二十四史と「侯馬盟書」等の出土資料をくまなく渉猟して「仁」の原義とその変質、「天理」観との関わりを究明し、それら観念と暦・天文・度量衡・十二方位・楽・易との関係、建築物への図形的表象に説き及ぶ。
平㔟 隆郎(ひらせ たかお)
1954年 茨城縣生まれ
1979年 東京大學文學部東洋史學科卒業
1981年 東京大學大學院人文科學硏究科修士課程修了
鳥取大學敎育學部助手
1984年 鳥取大學敎育學部專任講師
1987年 鳥取大學敎育學部助敎授
1990年 九州大學文學部助敎授
1992年 東京大學東洋文化硏究所助敎授
1999年 東京大學東洋文化硏究所敎授
2000年 東京大學大學院情報學環敎授・東洋文化硏究所倂任敎授
2003年 東京大學東洋文化硏究所敎授
主な著作・論文
「楚王と縣君」(『史學雜誌』90-2、史學會、1981 年)
『春秋晉國『侯馬盟書』字體通覽―山西省出土文字資料―』(東京大學東洋文化硏究所文獻センター叢刊别輯15、1988 年)
『新編 史記東周年表―中國古代紀年の硏究序章―』(東京大學東洋文化硏究所報告、東京大學出版會、1995 年)
『中國古代紀年の硏究―天文と曆の檢討から―』(東京大學東洋文化硏究所・汲古書院、1996 年)
『左傳の史料批判的硏究』(東京大學東洋文化硏究所・汲古書院、1998 年)
『「八紘」とは何か』(東京大學東洋文化硏究所・汲古書院、2012 年)
「論《漢書》的形式與編纂者班固」(右編纂組編『紀念方詩銘先生學術論文集・史林揮麈』上海古籍出版社、2014 年)
序
第一章 正史を通して知る「仁」と「天理」
第一節 正史を通して知る「仁」
第二節 正史を通して知る「天理」
第三節 他の正史の「仁」と「天理」
資料Ⅰ『史記』・『漢書』・『晉書』・『舊唐書』・『新唐書』・『明史』の「仁」・「天理」
資料Ⅱ 『後漢書』~『元史』の「仁」
資料Ⅲ 『後漢書』~『元史』の「天理」
資料Ⅳ 緯書の「仁」・「天理」
第二章 先秦史料を通して知る「仁」とその原義
第一節 經典と「仁」
第二節 『春秋』三傳と「仁」
第三節 『論語』の「仁」と侯馬盟書
資料Ⅴ 『論語』・『孟子』・『荀子』・『韓非子』・『禮記』の「仁」
資料Ⅵ 『春秋』三傳の「仁」― 附:『尚書』と『毛詩』の「仁」
等
第三章 古代の數理
第一節 三正説と數理
第二節 天理の物と建築
終章 先行研究とどう關わるか
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あとがき
索引