静岡県富士山世界遺産センターの活動としての研究・調査課題や、個々の研究員が進めている富士山に関する最新の学術研究の研究成果をまとめる。
第1号では、富士山学の多様性を示す目的から、2020年2月に開催予定であった国際シンポジウム「富士山学の頂へ」の内容を絞って誌上で再現した。
特集Ⅰ 「富士山学の頂へ」
【テーマ1】活火山富士山を取り巻く大地の成り立ち
富士山の噴火史研究で目指すもの―世界遺産富士山の信仰と芸術の礎として―(小林 淳)
【テーマ2】富士山をめぐる宗教テクスト学と図像学
富士山を象る宗教テクスト図像の生成と展開―聖徳太子絵伝と一遍上人絵伝―(阿部泰郎)
富士登拝の口決について―國學院大學図書館所蔵『神道門前法則・三種神祇之事』所収「富士山決」の紹介を通して―(大東敬明)
【テーマ3】時知らぬ山―時空を越える富士山―
狩野常信の富士山(松島 仁)
富士山は誰のモノなのか―和歌を通した象徴的私物化と文化遺産における矛盾―(エドアルド・ジェルジーニ)
特集2 富士山信仰をめぐる「遥拝」と「登拝」
平安時代末期の富士山信仰―富士市・医王寺経塚出土資料とその周辺―(藤村 翔)
富士山の「合目」表記に関する一考察(大高康正)