8,133本――貞享3年(1686)紀州藩士和佐大八郎が京都三十三間堂で一昼夜射通し(全堂大矢数)、樹立した前人未到の大記録である。
京都三十三間堂で始まり、後に江戸三十三間堂(浅草・深川)、奈良東大寺大仏殿でも行われた堂射に名誉をかけて挑んだ武士たちの姿を通して、その競技性と歴史的意義を浮き彫りにする。
入江康平(いりえ こうへい)
1939年 徳島県生まれ
1964年 東京教育大学体育学専攻科修了
筑波大学教授(体育科学系)、同大学体育専門学群副学群長、同大学附属中学校長、日本武道学会副会長、国際弓道連盟理事などを歴任
現 在 筑波大学名誉教授、日本武道学会顧問、大倉精神文化研究所研究員
博士(学術)
〈主要編著書〉
『日本武道大系』全10 巻(同朋舎)、『日本の武道』全16 巻(講談社)、『弓道書総覧』(木立出版)、『武道傳書集成』全10 巻(筑波大学武道文化研究会)、『弓道資料集』全15 巻(いなほ書房)、『近世武道文献目録』(第一書房)、『武道 日本史小百科』(東京堂出版)、『弓道指導の理論と実際』(不昧堂出版)、『近代弓道書選集』全9 巻(本の友社)、『武道文化の探求』(不昧堂出版)、『堂射武道における歴史と思想』(第一書房)、『弓射の文化史』上巻・下巻(雄山閣)、その他
第1章 堂射の概要
わが国弓射文化の特性/堂射の歴史
第2章 堂射の用具と射法・射術
堂射の用具/堂射の射法・射術
第3章 堂射射手の養成
第4章 堂射射手の心構え・生活態度と指導者の資質
第5章 堂射の実際
競技場について/堂射実施の役員とその役務、手続き、他
第6章 『矢数帳』の分析
第7章 堂射と文学・芸能
第8章 堂射の意義と評価