木器の製作された遺跡と、遺跡から出土した木器・漆器などの考古資料の分析を通して、縄文時代から古代にいたる木工技術の発達過程を可視化し、木工技術の発展と生産の場のあり方の観察から、木器の制作者から工人の成立、工房の誕生までの過程を俯瞰する。
飯塚武司(いいづか たけし)
1960年 東京都浅草生まれ。浅草育ち。
法政大学第一文学部史学科(日本考古学専攻) 卒業
東京都埋蔵文化財センターで、多摩ニュータウン遺跡をはじめ、都内の遺跡調査、報告書作成に従事。
2013年度 福島県文化振興財団派遣(東日本大震災復興支援派遣)
現在 東京都埋蔵文化財センター調査研究主任
本書の内容について
Ⅰ 木工技術の発達
1 製作工程の確立
(1)伐採
(2)製材
2 加工技術の発達
(1)縄文時代の容器類未製品と製作技術
(2)縄文時代の容器類の製作工程
(3)弥生時代から古墳時代の農具・容器・食事具の製作
(4)未製品の水漬けについて
Ⅱ 木工諸技術の発達過程
1 刳物
(1)縄文時代の丸木舟
(2)弥生時代の大型刳物
(3)弥生時代の容器類の精巧品
(4)古墳時代の木棺
2 指物
3 彫刻
(1)縄文時代の彫刻
(2)弥生時代の彫刻
4 曲物
5 挽物
(1)挽物技術を巡る研究史
(2)木工轆轤と工具
(3)製作工程と未製品
(4)轆轤技術の発達
Ⅲ 工房の成立
1 工房誕生のプロセス
(1)縄文時代
(2)弥生時代
(3)古墳時代
2 古代の工房
(1)官営工房
(2)東日本の官営の木器工房
(3)家産工房
まとめ
Ⅳ 終 章
あとがき/引用文献/遺跡文献/出典・提供一覧/遺跡名索引