博覧会から博物館へ
明治初年、博物館の創設に心血を注いだ新政府文化官僚たちの活躍を詳述し、殖産政策としての博覧会から“皇国の主館”としての博物館へと転換していった日本の近代博物館誕生過程を分かりやすく解説している。博物館の原点を探るうえで重要な基本文献を十数年ぶりに〈普及版〉として復刊。
椎名 仙卓(しいな のりたか)
1930年 千葉県生まれ。
國學院大學文学部卒。
国立科学博物館に勤務し教育普及事業を担当。その後、聖徳大学川並記念図書館副館長、城西国際大学非常勤講師、佐渡博物館参与、八千代市郷土博物館協議会委員等を歴任。
2018年12月23日逝去。
【主要編著書】
『モースの発掘』(1988年)、『日本博物館発達史』(1988年)、『博物館ハンドブック』(共編・1990年)、『図解博物館史』(2000年)、『大正博物館秘話』(2002年)、『近代日本と博物館―戦争と文化財保護―』(2010年)、『博物館の災害・事件史』(2010年)、『博物館学年表―法令を中心に―』(共著・2014年)、『明治博物館事始め』(2015年)ほか。
第1章 博覧会・博物館の概念(「博覧会」という言葉;「博物館」という言葉)
第2章 わが国における博覧会と博物館の接点(博物館を構想して博覧会が生まれる;古器旧物保存方の献言と布告 ほか)
第3章 わが国における最初の官設博覧会(博覧会開催の趣旨;博覧会に出品された資料 ほか)
第4章 わが国における博物館の成立(文部省博物館の誕生;博覧会事務局から博物館へ ほか)
第5章 博物館における事件簿(文部省博物館での古金紛失;洋行帰りの金鯱伊豆沖で遭難か ほか)