2022 年4 月に成立した博物館法の改正をうけて、各地域で、博物館独自の多様なコレクションを活かしていくために、ポスト・コロナ時代のコレクション管理のあり方を考える。
※本書籍には新版がございます。
博物館とコレクション管理 増補改訂版
金山喜昭(かなやま・よしあき)
法政大学キャリアデザイン学部 教授
1954年、東京都生まれ。
法政大学大学院人文科学研究科博士後期課程(満期退学)。博士(歴史学)。
野田市郷土博物館学芸員、副館長を経て、法政大学キャリアデザイン学部へ。
2008年4月からロンドン大学(University College London)客員研究員(翌年3月まで)。全日本博物館学会常任委員、公益財団法人横浜市ふるさと歴史財団理事、公益財団法人茂木本家教育財団理事、東京都江戸東京博物館資料収蔵委員会委員など。
主要図書:『日本の博物館史』(慶友社、2001年)、『公立博物館をNPO に任せたら』(同成社、2012年)、『博物館と地方再生』(同成社、2017年)、『転換期の博物館経営』(編著)(同成社、2020年)など。
序章 コレクション管理の考え方と方法(金山喜昭)
第1章 コレクションの歴史
日本におけるコレクション形成史と文化財保護思想の底流(内川隆志)
松本市立博物館―明治三十七八年戦役紀念館から続く活動から―(窪田雅之)
鎌倉国宝館―社寺からの寄託品を受けて―(浪川幹夫)
第2章 コレクションをめぐる法制度と権利関係(栗原祐司)
第3章 海外の博物館とコレクション管理
イギリスのコレクション管理制度(松田 陽)
イギリスのドキュメンテーション―資料の受付から受入まで―(田中裕二)
イギリスにおける収蔵資料のアクセス・活用(金山喜昭)
イギリスにおける収蔵資料の処分(金山喜昭)
イギリスの事例から見た博物館のコレクションとデジタルアーカイブ(竹内有理)
第4章 博物館の収集、整理保管
Case1 市立函館博物館―開拓使時代からの資料を含むコレクションの管理―(奥野進)
Case2 江戸東京博物館―都民の財産「江戸博コレクション」収集・管理・公開の仕組み―(飯塚晴美)
Case3 岐阜県博物館―博物館サポーターによる資料整理―(説田健一)
Case4 島根県立古代出雲歴史博物館―国宝・荒神谷遺跡出土銅剣の保管を中心に―(増田浩太)
Case5 新潟市美術館―美術コレクションの総点検―(松沢寿重)
第5章 博物館の収蔵資料の公開・活用
Case1 美濃加茂市民ミュージアム―地域共有財産として活かされるデータベースをめざして―(可児光生)
Case2 氷見市立博物館―膨大な民具資料を収集、保管する―(大野 究)
Case3 岐阜県博物館―収蔵・展示資料を活用した博物館機能の全県展開モデル―(山田昭彦)
“博物館学の展示” の可能性―企画展をとおして保管機能を普及啓発する―(山本哲也)
第6章 博物館資料の処分
Case1 青森県立郷土館―廃止された博物館資料の受け入れと活用―(古川 実)
Case2 川崎市市民ミュージアム―被災収蔵品に関する課題とその対応について―(白井豊一)
第7章 収蔵庫の管理と増設
公開承認施設の収蔵庫をめぐって(渡邉尚樹)
収蔵庫および収蔵環境の管理に関する現状と今後の課題(今野 農)
Case1 栃木県立博物館―収蔵庫を増設する―(林 光武)
Case2 横須賀市自然・人文博物館―文化財収蔵庫を増設する―(瀬川 渉)
Topic 災害から地域の文化財を守る(原田和彦)